序章:「見えない部分」が空間の価値を決める
洗練されたデザインのオフィス、活気あふれる商業施設、心から安らげる住まい。私たちが日常を過ごすあらゆる空間は、快適性や機能性、そして美しさを追求して創られています。壁紙の色や床の材質、照明のデザインといった「目に見える」部分が、その空間の印象を大きく左右するのは間違いありません。
しかし、その美しい内装の内側には、空間そのものの品質と価値を決定づける、決して表には見えない「骨格」が存在することをご存知でしょうか。
その骨格を創り上げるのが、私たち株式会社松本内装が専門とする「軽鉄工事(LGS工事)」です。今回は、内装工事のまさに第一歩であり、すべての基礎となるこの仕事の知られざる魅力、そして職人たちが抱く誇りと奥深さについて、詳しくご紹介します。
第1章:すべてはここから始まる。内装工事の心臓部「軽鉄工事」の全貌

「軽鉄」と聞いても、多くの方には馴染みがないかもしれません。まずは、この重要な工事がどのようなものなのか、その役割と特徴から見ていきましょう。
1-1. 「軽鉄工事」とは何か?
軽鉄工事とは、軽量鉄骨(Light Gauge Steel、略してLGS)という、厚さ1mmにも満たない薄い鋼材を精密に組み上げ、壁や天井の「下地(骨格)」を造る専門工事のことです。かつては木材で下地を組むのが主流でしたが、軽鉄は木材に比べて品質が均一で、湿度による反りや歪み、害虫の被害の心配がありません。また、不燃材料であるため耐火性に優れ、リサイクルも可能なことから、現代の建築、特にオフィスビル、店舗、マンション、医療施設など、高い安全性と施工効率が求められる現場で標準的な工法となっています。
この格子状に組まれた骨格が、後に行われる「石膏ボード工事」の土台となります。つまり、軽鉄下地がなければ、壁も天井も存在し得ないのです。内装工事全体の品質を左右する、まさに心臓部と言えるでしょう。
1-2. 天井と壁、それぞれの骨格づくり
軽鉄工事は、主に「天井下地」と「壁下地」の2つに大別されます。
天井下地: 何もないコンクリートの躯体から吊り金具(吊りボルト)を降ろし、そこに軽鉄材を格子状に固定して、天井の面を創り出します。照明器具の設置位置や空調設備のルートを考慮しながら、水平で強固な下地を組むには、精密な計算と熟練の技術が必要です。
壁下地: 床と天井に「ランナー」と呼ばれるレール状の部材を固定し、その間に「スタッド(間仕切り材)」と呼ばれる柱を一定間隔で垂直に立てていきます。このスタッドが壁の骨格となり、部屋と部屋を区切る間仕切り壁を形成します。ドアや窓の開口部を設けるなど、図面の要求に応じて複雑な形状を正確に造り上げていきます。
第2章:職人の誇り。軽鉄工事の仕事における「やりがい」
地道で精密な作業の連続である軽鉄工事。その中で職人たちは、どのような瞬間に「やりがい」を感じるのでしょうか。
2-1. ゼロから空間を創造する達成感
軽鉄工事の現場は、多くの場合、まだ何もないコンクリート打ちっぱなしのがらんとした空間から始まります。そこに職人たちは、まず設計図に基づき、床や壁に基準となる線を描く「墨出し」という作業を行います。
この一本の線を頼りに、床と天井にランナーを打ち付け、一本、また一本とスタッドを立てていく。平面的だった図面上の線が、目の前で次々と立体的な壁の骨格として立ち上がり、空間が「部屋」として仕切られていく瞬間は、何物にも代えがたい達成感があります。自分たちの手で、無から有を生み出しているという確かな実感。これこそが、この仕事の最大の醍醐味です。
2-2. 全ての工程を支える「責任感」
軽鉄工事は、内装工事のトップバッターです。私たちの仕事の精度が、後続のすべての職人の仕事に影響します。例えば、壁の垂直がわずかでも狂っていれば、その上に張られる石膏ボードは歪み、最終的なクロス(壁紙)の仕上がりにシワやズレが生じてしまいます。
電気配線、給排水管、空調ダクトなど、壁や天井の内部には様々な設備が通ります。軽鉄職人は、それらの設備がどこを通るのかを理解し、他業種の職人たちがスムーズに作業できるよう、配慮しながら骨格を組まなければなりません。
「自分たちの仕事が、この空間のすべての品質の礎となる」。その大きな責任感が、職人一人ひとりの誇りとなり、仕事への高いモチベーションに繋がっています。
2-3. チームで一つのものを創り上げる一体感
大規模な現場になればなるほど、多くの職人が関わり、チームとして動くことになります。現場監督の指示のもと、仲間と声を掛け合い、息を合わせて巨大な骨格を組み上げていくプロセスには、スポーツにも似た一体感が生まれます。困難な課題に直面したときも、チームで知恵を出し合い、乗り越えていく。この連帯感もまた、現場仕事ならではの大きな魅力です。
第3章:精度と美学。軽鉄工事の「奥深さ」に迫る
一見すると単純な部材の組み立て作業に見えるかもしれませんが、その裏には、長年の経験によって培われる深い知識と美学が存在します。
3-1. 図面を「読む」から「超える」へ
プロの軽鉄職人は、ただ図面通りに組むだけではありません。図面を深く「読み込み」、その空間が将来どのように使われるのかを想像します。
「この壁には大型のモニターが設置されるかもしれないから、補強材を入れておこう」
「ここは人が頻繁に通るから、角の強度を上げておこう」
図面には描かれていない部分まで先読みし、より安全で使いやすい空間にするための工夫を凝らす。これは、経験豊富な職人だからこそできる「図面を超える」仕事です。お客様が気づかない部分にまで配慮を尽くし、付加価値を生み出すことに、この仕事の奥深さがあります。
3-2. 「見えなくなる」部分へのこだわりこそがプロの証
軽鉄下地は、最終的には石膏ボードやクロスに隠れ、人の目に触れることはありません。しかし、私たち株式会社松本内装の職人は、「見えない部分だからこそ、美しく、完璧に」という強いこだわりを持っています。
等間隔に並んだスタッド、水平垂直が完璧に出されたフレーム。完成後に隠れてしまう骨格であっても、その仕上がりの美しさは、職人の技術力の証であり、仕事に対する誠実な姿勢の表れです。この見えない部分への徹底したこだわりが、最終的な空間全体の高い品質に直結するのです。
3-3. 進化し続ける技術と知識への探求
建築の世界は常に進化しています。より高い耐震性や防音性、断熱性が求められるようになり、軽鉄工事で使われる部材や工法も日々新しくなっています。新しい建築基準法や規制に対応するため、職人は常に学び続け、自身の技術をアップデートしていく必要があります。この終わりのない技術探求もまた、プロフェッショナルとしての成長を実感できる、仕事の奥深さと言えるでしょう。
第4章:高品質な空間づくりなら「株式会社松本内装」へ
ここまで軽鉄工事の重要性と魅力についてお伝えしてきましたが、この専門的で奥深い工事を安心して任せられるのは、やはり経験と実績が豊富な業者です。
私たち株式会社松本内装は、埼玉県川口市に拠点を置き、軽鉄工事・石膏ボード工事のプロフェッショナルとして、数多くの現場を手掛けてまいりました。
経験豊富な職人による「ミリ単位の精度」
長年の経験を持つ熟練の職人たちが、ミリ単位の精度にこだわり、歪みのない完璧な下地を構築します。
「見えない部分」への誠実な姿勢
弊社のモットーは「見えない部分へのこだわり」。お客様が長く安心して使える空間を提供するため、一切の妥協を許さない丁寧な施工を約束します。
お客様の想いをカタチにする対応力
住宅、オフィス、店舗、商業施設まで、建物の用途や規模を問わず、お客様のご要望に最適な施工プランをご提案。図面をただの設計図としてではなく、お客様の「想い」の表れとして捉え、それを最高のカタチで実現するお手伝いをいたします。
まとめ:空間に命を吹き込む、最初の仕事
内装工事における軽鉄工事は、建物の内部に初めて「骨格」を与え、空間に命を吹き込む、非常に重要でやりがいに満ちた仕事です。それは、単なる作業ではなく、後続のすべての工程を支え、最終的な空間の品質を決定づける創造的な営みです。
株式会社松本内装は、この重要な仕事に誇りを持ち、確かな技術と誠実な心で、お客様の大切な空間づくりを土台から支えます。内装工事、特にその根幹となる下地工事に関するご相談は、ぜひ私たち株式会社松本内装までお気軽にお問い合わせください。


